岐阜県下呂市小坂町(おさかちょう)

 前回のブログから3年以上が経ってしまった。あの頃は名古屋(厳密には豊山町)に住んでいて、今は岐阜県下呂市小坂町に住んでいる。あの頃、すなわち2016年の年末、きりのいいところで会社を辞めて小坂に移住することを決めた。その後少し戸惑う出来事もあり悩みに悩んだけど、結局2017年7月に小坂に移住した。応援してくれた人もいたし、反対してくれた人もいた。移住してから再会して「すごくいきいきしてるね。」と会う人みんなに言われた。その次によく言われたのは「後悔してない?」という言葉。不思議とこう聞いてくる人が多かった。その真意はともかく、私の答えはいつも「今は全然(後悔してない)。その判断は3年後じゃないとわからない。」だった。そして今、その「3年後」になった。

 答えはどうだろう。「後悔してない。」が振り絞って出す答えかな。不安が無いわけではないから100%の自信を持って後悔してないとは言えないけど、でも今すごく自分で自分の存在を感じていられるから後悔してないと言っていいんだと思う。得るものがあれば必ず失うものがある。失うというより諦めると言ったほうが正解かな。本当は一つも諦めることなく、すべてを得るのが理想だけど、到底そこまでの人間にはなれずに早々と3年が経ってしまった。でも、後悔するほどの出来事はなかったし、まだ後悔せずにこの先小坂でやっていける気がしているから移住して3年経った今、後悔はしてないと言おう。

 この3年、新しい出会いにあふれていたし、滝めぐりのガイドデビューも果たしたし、 全国通訳案内士として仕事をもらえるようになったし、登山ガイドの資格も取ったし、小坂の人に国際交流の機会も作れてるし、私の人生の目標「お母さんに『娘を留学させて良かった。』と言ってもらえる人生にすること」に少しずつ近づけている気がするし。やってみたかったことはけっこうできた3年に思える。でもこれをどう継続&拡大するかが課題。年齢とともに体力は衰えていくし、やりたいことはニューノーマルにならしたやり方にしないといけないし。この先は、ニューノーマルに順応できた人だけ生き残る。何も変化を起こさなくてもニューノーマルに順応できてる分野の人もいるけど、私の場合は順応するには変化が必要。変化を起こすにはエネルギーがいるけど、そのエネルギーが自分にあるのか不安になる。だからちょっとこの先が怖い。

 けど仲間がいるということだけですごく幸せになる。これも度々言うけれど、ただ単に景色がきれいなだけだったら私は小坂に移住してません。滝めぐりを守ろうとする人の情熱や使命感や危機感に魅せられたから移住したんです。まったく誰も知り合いのいない町だったらさすがの私も移住はしなかった。小坂に何度も来て出会いを重ねてたくさん語り合ったから小坂に来れた。で、その人達が今も私のことを仲間として受け入れてくれている。それが本当に嬉しくて後悔なんてできない。感謝しかないです。そしてそこからたくさん人の輪が広がって今がある。コロナやら豪雨災害やら色々荒波にもまれているけど、だからこそ踏み出せたこともあるし。

 今日、こうしてブログを何年ぶりかに書くのもいいことがあったから。そして気づいたら3年の節目だったから余計にブログを書くべきだと思った。

 そのいいことというのは、ロゴができたこと。このホームページを作ったのはまだ私が名古屋にいたころのこと。岐阜が好きでたまらなくて、駆け出しのガイドとして岐阜のことを紹介したくて始めたページ。でもネーミングに困ってとりあえずGIFU OUTDOOR MAPと名付けてみたのだけど、OUTDOOR MAPと言うには全然規模が足りなくて、紹介するのに恥ずかしさを感じていた。けど、今回勇気をだしてその気持ちをさらけ出してロゴを作ってもらえないか野村さんに相談したところ、野村さんは真正面からこの気持ちを受け取ってくれて、あっという間にロゴが完成してしまった。そしてその嬉しさでこのブログを書いている。振り返れば野村さんとも移住前から小坂で出会っているんだよな。最近野村さんのインスタをフォローするようになって、野村さんが素敵な絵を描くことを知って、そのタッチに一目惚れして、すぐさまロゴをお願いしてしまった。(野村さんの作品は私のインスタから@foogee_nolaさんのタグ付けで追ってください。)ネーミングもHida-Osaka 200 honeyにした。このネーミング、尊敬するNPO法人飛騨小坂200滝と大好きなハチミツ(いつかは自分で作る夢)を文字っていて、実はとても気に入っている。小坂のお気に入りビューポイントが野村さんの優しいタッチの水彩画で、素敵な切手みたいに変化した。本当に嬉しい。このホームページもさっそく修正した。

 相変わらずとりとめもなく長々と書いてしまったけど、これが私の今の気持ち。不安が無いとは言い切れないけど、岐阜県下呂市小坂町に移住したことに今日の時点では後悔していない。住める家と野菜ができる畑と移動手段の車と自転車があって、私のことを見守ってくれるご近所さん達がいて、何より重たい私がしがみついても決してぶれそうにない強い芯を持つ色んな分野の人たちと一緒に仕事ができる私は幸せ。後悔なんて失礼なこと絶対言えない。