海と山。山と海。

先週は原籍会社の研修ということで、静岡に帰省しました。

 

そこで気づきました。私は山も海も、両方好きだということを。

 

名古屋に引っ越してきてこの4月で7年目に入りました。入社から8年異動もなく船会社の仕事をしていましたが、9年目を迎えた4月に航空会社の部署に異動となり、それから一年、気づいたら名古屋に送り込まれていました。

 

6年前。引っ越し当初の心配。それは海から遠い土地に引っ越すこと。心も大気も乾燥して水分不足になりそう、肌に潤いがなくなってしまうのではないか、そんなことありえないとわかっていても、真剣に海からの水分不足を心配していました。

 

しかし、私、間違っていました。一時間も車で走れば岐阜にたどり着き、そこには山、森、川、滝があり、空気は肌で感じるほど潤っていて、景色は優しい色であふれていました。そうして、私は時間さえあれば吸い込まれるように岐阜を旅するようになりました。山に行きすぎて、海を忘れるかのように・・・。

 

しかし、今回静岡に帰って思ったこと。

 

やっぱり、私は海を忘れていない。海を見るとほっとする。私は今も海が好き。

 

研修の最後に、会社所有の船で船上懇親会がありました。デッキに立ちながら、「気持ちいいですね~。」と口では言いながら、心では「あ~海だ~。」とで叫んでいました。なんというか、引き離されていた家族のもと(海)に帰ってこれたような安堵感と脱力感。デッキのいたるところに片づけられている色とりどりで様々な太さのロープ、そしてその洗練されたロープワーク。海の独特の風。見渡す海原に、心が揺さぶられるのを感じました。

 

実のところは海も好きだったのだと心の底をえぐられました。そうです。だって、通勤途中、電車で焼津から静岡に行くときは、必ず焼津駅を出てすぐに通過する橋の上から海を見ていたし、そのあと日本坂トンネルを抜けたら、必ず読んでいる本から目を離して用宗の海を見たし。新幹線に乗れば必ず熱海で海をと伊豆を見つめるし。過去には毎年夏に海でウェイクボードしていたし、スキューバダイビングのライセンスも持っているし・・・。

 

それにしても自分は山より海派なのか、またはその逆なのか。

 

どちらかを選ばないといけないと、実は高校時代から自問自答していました。山の手(実家の地区の名前)の人間だし、小学生の頃の放課後は浜当目の海より高草山だったし。と、焼津藤枝の市民以外は聞いたこともないような地名を出して比べては、「私は山派」と言い聞かせていました。誰にも聞かれていないのに・・・。

 

しかし、今回の帰省でその無理やり設けていた縛りが、自然となくなりました。

 

海も好き。山も好き。素直に両方好きと言えばいいじゃん。二者択一の問題ではないじゃん。広大な山と海。平等に温かく厳しい山と海。海と山。山と海。こんなに小さい私が、この二つから一つを選ぶ必要なんてどこにある?誰がどちらかに絞りなさいと言った?

 

だからこれからは迷わず素直に言います。

 

「山が好きです。海が好きです。両方好きです!」と。